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なぜ「適当なIP」を書いてはいけないのか

手順書やスライドに例としてIPアドレスを書くとき、思いついた数字をそのまま使うと、それは世界のどこかで実際に使われているアドレスになります。読んだ人がコピーして貼り、そのまま疎通確認や設定投入をすると、無関係の第三者へ通信が飛びます。同じことがドメイン名でも起きます。社内資料に書いた架空のドメインを誰かが取得していれば、そこへメールが届きます。

この問題を避けるために、IETF は「文書に書くための値」を規格として予約しています。予約された範囲は経路広告されず、誰にも割り当てられません。だから手順書に貼っても、コピーして実行しても、どこにも届きません。このツールはその予約範囲だけから値を作ります。

予約されている範囲

用途予約範囲根拠
IPv4192.0.2.0/24(TEST-NET-1)/198.51.100.0/24(TEST-NET-2)/203.0.113.0/24(TEST-NET-3)RFC 5737
IPv62001:db8::/32RFC 3849
ドメインexample.com / example.net / example.org と .test / .example / .invalid / .localhostRFC 2606
AS番号64496〜64511(16ビット)/65536〜65551(32ビット)RFC 5398
MACアドレス00-00-5E-00-53-00〜00-00-5E-00-53-FF(ユニキャスト)RFC 7042 2.1.2

使い分けの目安

IPv4 の3ブロックは役割の違いではなく、単に3つ用意されているだけです。「自社側」「相手側」「経路上の機器」のように、1つの図で複数の登場人物を書き分けたいときに、ブロックを変えると読み手が混乱しません。IPv6 は 2001:db8::/32 の1つだけなので、/48 や /64 に切って書き分けます。

プライベートアドレス(10.0.0.0/8 など)は例示用ではありません。読み手の環境で実際に使われている可能性が高く、コピーして貼ると自分の社内の別の機器を指してしまいます。文書の例には予約範囲を使い、プライベートアドレスは「読み手が自分の値に置き換える箇所」だと分かる書き方にしてください。

よくある質問(FAQ)

192.0.2.0/24 に ping は通りますか?

通りません。この範囲は経路広告されないため、インターネット上のどこへも到達しません。到達しないことが目的の範囲です。もし応答があるなら、それは手元のネットワーク内で誰かが規格に反して使っているということです。

example.com は勝手に使ってよいのですか?

RFC 2606 が文書用に予約しているドメインなので、資料の中で例として書くのは問題ありません。ただし実際にアクセスすると IANA の説明ページが表示されます。到達しない例が必要なときは .invalid や .example を使ってください。

社内の検証環境に 203.0.113.0/24 を割り当ててもよいですか?

推奨しません。文書用の範囲であって、検証環境用ではありません。誰かが手順書の例をそのまま実機に入れると、意図しない衝突が起きます。検証環境にはプライベートアドレスを使ってください。

生成した値はサーバーへ送られますか?

いいえ。生成はこのページの中だけで行っています。入力も結果も送信しません。